概要
- 2015年出版で、著者は寺島実郎氏。
- 第4章では、パレスチナ問題の根源について短くまとめられており、イスラエル情勢の背景を知ることができます。他の章では、明治以降の日本人・アジア人の偉人について、生い立ちや人となりがわかるようなエピソードをふまえての課題に闘ったこと、そして現代日本人への問題提起がなされています。
- そのエピソードとは、意外ともとれる内面や苦悩など、(私が思う)一般的なイメージとは違って、繊細さや挫折の青年時代が描写され、なんとか当時の理不尽な時代背景に対して真っ向から闘う情熱を、臨場感をもって想像しながらページをめくっていました。
- 一番の問題提起は、戦後から続く日本近代史を真剣に考えないで、表層だけの歴史理解するだけでは、起こる事象に弄ばれることになるので、物事の本質や時代の底流をきちんと認識することが重要だということが書かれています。
- 今の日本の、『時代の空気に合わせるだけで主体的に考えて選択せず、「仕方ない」「長いものには巻かれろ」として進み、それがもたらす結果について誰も責任をとらない状況』を危惧し、主体的にものを考えなければ日本は滅びてしまう、危機感を持たないといけない、ということを問いかけられています。
感想
- なんとなく、このままでは日本はどうなるのだろう・・とは考えるものの、「自分ではどうしようもない」、「今は大丈夫」と考えないようにしている自分がいた気がします。でも、今の子供たちが将来必ず渦中に居ることになる将来の日本。将来を希望ある日本にするために、この自分が今、何ができるのか。希望ある将来ってどういう姿なのか描くのは難しいけれど、素直に思う正しいこと、例えば、日々感謝しているか、丁寧に生きているか、言葉使いが悪くないか、貪っていないか、こう書くと自分を律しているか、ということな気がしますが、私自身、一歩一歩の小さなことから変えていかなければいけないと思いました。
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